田んぼに草が生えました!
こんにちは。
愛感謝米の農場(埼玉県春日部市)では、晴れると夏のように暑い日になり、一足早く夏気分!です。
みなさん、いかがお過ごしですか?
さて、田んぼは・・・

緑です!田植えをしたのか?と見まごうほど緑ですが・・・全て草です。
下の代掻き直後の写真と比べると、ずいぶん生えましたね。

前にも多少触れましたが、田んぼに水を張ったら代掻きをし、通常は、その後田植えなのですが、植えずにしばらく水を張りっぱなしにします。
そうすると、ヒエ、コナギ、ホタルイなどの、いわゆる強害草といわれる、稲作に困る草が芽を出し、写真のように緑いっぱいの状態になります。
田植え前に、二度目の代掻きをして、この生えた草を泥に練り込むと、草は種をつける前に練り込まれる事になるので、土中の種の数が減り、抑草になるそうです。
強害草・・・ずいぶん強そうで迷惑そうな名前ですが、ヒエやコナギ、ホタルイがそう言われるゆえんは、稲より成長速度が早く、稲を越して立派な株に育つからでしょう。
また虫にも強く、田んぼの肥料食い・・・大食いで、種を大量につける子だくさん、文句なしに丈夫なのです。
食べられれば言うことなしですね(笑)
ちなみに、雑穀として食べる稗(ひえ)とは種類が違い、食べられない犬稗(いぬびえ)だそうです。


写真は、強害草の中でもトップ争い間違いなし!の、コナギです。
今はまだ幼く、とんがった葉っぱですが、大きくなると、ハート型の艶のあるきれいな葉っぱになり、紫色の花を咲かせます。
とにかく肥料分を食らうので、コナギが繁茂すると稲が全く育たなくなります。
一般的な稲作では、まだまだ小さい稚苗を植え、強害草の成長速度に負けるので、除草剤を使い、害のない草も枯らして米の収量を確保します。
教わった成苗稲作では、強害草が追いつけない大きさ=成苗まで、露地で丈夫に育て、田んぼでは、二度(~三度)の代掻きで抑草する事で、出来るだけ生きもの世界と、収量が確保された稲作との共存が両立できるような体系となっています。
薬剤を使わないので、田植え後、藻や草がどんどん生えてきます。
また、抑草の対象の強害草・・・ヒエやコナギ、ホタルイも生えてきます。
ですが、稲が成苗まで育っているので、草は追いつけず、数が少ないか、小さくしか育たず、田んぼの主役は稲になります。
要はそこが大事なのです。草を枯らす事が目的ではなく、お米を必要量収穫できれば、草も生えていていいと思っています。
有機栽培の、恐らく一番のネックが、草との兼ね合い。
除草剤で枯らしてしまうのは簡単なのですが、除草剤は強く、稲作に害を及ばさない草や藻、また昆虫など生きものも激減してしまいます。
また近年、除草剤に耐性のある強害草も出てきているようで、薬の種類を変えたり強くしたり、それでも生えてきたりと、いたちごっこになってきているようです。
では薬剤を使わず草を一網打尽にしようと、紙マルチという方法もあるそうです。
紙を田んぼ一面に敷き、その上から苗を植えると、土の中の種は発芽しても紙に阻まれ、光合成や呼吸が出来ないため、抑草になるという農法だそうですが、紙の下は、生きものにとっても光がなく、呼吸が出来ないわけで、生きものの数の激減、多様性も失われてしまう問題があるそうです。
私達人間だけが安全であればいいのか。
無農薬の食べ物が食べられれば、他の生きものが激減してもいいのか・・・
という問題に突き当たります。
有機農業の中でも、生きもの世界との両立を目指す場合、大変な手間がかかります。
その手間を惜しまない事で、稲も立派に育ち、同時に植物や生きものの住処が広がるなら、出来るだけの事がしたいと思う、毎日、朝から晩まで、暑い日も雨天でも作業をしている旦那様は、生きもの達が好きなのですね。同時に稲作も好きなのです。
世には色んな「方法」があります。
農業だと○○農法、子育てにも教育法、勉強にも○○法・・・。
でも、「好き」「大事にしたい」が一番の理由で、根底の原動力だからこそ、次に、多々ある方法が生きてくるのだと痛感します。
売れるための農法、恰好だけの教育法、勉強法・・・だと、かける手間が面倒になりがちです。それが自然と結果に出てしまいます。
大好きで大事にしたいから、手間暇を惜しまなくなるのでしょうね!
これから、梅雨が始まり気温も高くなると、沢山の生きものや草が、生命を謳歌しだします。
それはそれは賑やかになりますよ!