本日はアメリカで実施されている、農場と学校をつなぐプロジェクトについて紹介します。
食料自給率の低い日本では、国内農業の衰退に対する危機感が強く、その危機感が政府の食育政策にも表れています。
一方、食料自給率が100パーセントを超えるアメリカでは、食育の目的は主に肥満対策(=栄養教育)にあります。「農業を活性化しなければならない」といった危機感はありません。
しかし、そのようなアメリカでも、エコロジーやロハスといった観点から、日本の「地産地消」に類似した考え方として、Eat Locally(地元の食材を食べよう)というスローガンがあったり、ロカポア(地元で作られたものを食べる人)という言葉が存在したりしています。
こうした考え方をもとに、「農場と学校をつなぐ」プログラムとして発展したのが「ファーム・トゥ・スクール(Farm to School)」です。
ファーム・トゥ・スクール http://www.farmtoschool.org/
全米ファーム・トゥ・スクール・ネットワーク という団体が中心になり、学校給食と農業との距離を縮めるさまざまな活動をしています。
最初は、農業州であるカリフォルニアで始まった取り組みですが、現在では、46州にわたり1万校以上が参加しています。
児童や生徒がこのプログラムにのっとって地元で農業体験をし、その結果、地元の農産物を好きになることが、このプログラムのねらいです。
この「ファーム・トゥ・スクール(Farm to School)の実施により、
・学校給食への生徒の参加率の増加
・野菜・果物を食べる量の増加
・農家の収入の増加
などの効果が報告されているそうです。
世界規模で、食育、農業に対して意識が高まって行くことは、本当に嬉しいことですね。