妊娠期は、栄養素を十分にとる一方で、外的汚染から離れ、体に悪いものを取り入れないようにすることも大切です。
喫煙、アルコール、薬などの化学物質は、疑いなく母子両方に悪影響を及ぼしてしまいます。
身体に取り入れられた有害物質が作用して、出生児や成長後に何らかのトラブルが起こるおそれがあります。
最近は、生後すぐにアトピー性皮膚炎になる乳幼児が増えてきているといいます。
その理由のひとつに「母体優先の法則」が関係していると考えられます。
重金属(鉛、水銀、カドミウム)や化学物質(PCB、ダイオキシン、農薬など)をはじめとする有害物質が母乳から「排泄」され、乳児の体に取り入れられてしまうことがあるからです。
乳児の体は80%が水分ですが、その水分はすべて母親が飲んだ水と食べ物をもとになっています。
水道水には、鉛、カドミウム、水銀、PCBなど有害物質の安全基準が設けられています。
しかし、仮に基準を下回る「安全」な量であっても、それらの有害物質は少しずつでも体内に入ってきていることには変わりがありませんし、摂取源は他にも多く存在します。
慢性的な病気をもっていたり、有害物を解毒する栄養素が不足していたり、食品添加物が多く含まれた加工食品などを食べていたりすることで、有害物質が体内に蓄積され、さらに循環して、胎児の「体の一部」になってしまう可能性があるのです。
ぜひ、必要な母子共に必要な栄養を充分に摂取し、有害な物質を取り入れない食生活を心掛けてください。