連日の猛暑日(1日の最高気温が35度以上の日)で、熱中症に関するニュースを多く目にします。
熱中症による死者が増えています。死者数は、最近の10年間では年平均で400人近く、30年前に比べ6倍になっています。
総務省消防庁によりますと、この夏(5月31日~7月18日)、熱中症の疑いで救急車で搬送された人は5,574人。うち12人が亡くなっているそうです。
熱中症による死者は増加傾向。厚生労働省の人口動態統計によると、1999年から2008年までの10年間に「自然の過度の高温」で3,954人が死亡。69年から78年(658人)の6倍に増えています。
同じ気温でも、東京都の方が大阪府より死者の割合が多いというデータがあります。恐らく湿度の影響だと思われます。平年の8月の湿度は、東京都心の72%に対して大阪市は67%。湿度が高いと汗が乾きにくく、体温が下がりにくいため、気温だけでなく、湿度にも注意が必要です。
なお、気象庁のデータで、東京都心、名古屋市、大阪市、福岡市の4大都市で35度以上の「猛暑日」の変化をみますと、69~78年の10年間の4都市の合計は142日でしたが、99~08年では400日と約3倍に増えています。
★熱中症対策には、水分だけではなく、ミネラルの補給を!
熱中症対策には、水分の補給が大切なことは有名です。それは、暑さで大量の汗が出るからです。
ただ、水分を摂れば良いというわけではありません。汗は水分と一緒にミネラルを出してしまっているのです。
汗腺から出た汗の成分は、なめてみればわかるようにその多くが塩分(塩化ナトリウム)です。
ただ、その他にもカリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛など、からだに必要なミネラルが含まれているのです。
そのため、熱中症対策には水分の補給だけではなく、ミネラルの補給も行う必要があります。
≪熱中症とは≫
熱中症とは、暑い環境で生じる障害の総称です。熱中症には、熱失神,熱疲労,熱けいれん,熱射病があります。
◆熱失神:皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳血流が減少しておこるもので、めまい、失神などがみられます。
◆熱疲労:大量の汗をかき、水分の補給が追いつかないと脱水がおこり、脱力感、倦怠感などの熱疲労の原因となります。
◆熱けいれん:大量に汗をかき、水だけを補給して血液の塩分濃度が低下した時に、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんがおこります。
◆熱射病:体温の上昇のため中枢機能に異常をきたした状態で意識障害が特徴です。全身臓器の血管がつまって、脳、心、肺、肝、腎などの全身の臓器障害を合併することが多く、死亡率も高くなります。
ちなみに、年間で猛暑日が最も多かったのは大分県日田市の45日で1994年に観測されました。
( 引用:2010年7月22日 asahi.com )