こんにちは。
サンクスアイさん本社の熊本は梅雨入りした頃でしょうか。
愛感謝米が育つ田んぼ・・・埼玉県春日部では、あと少し先のようです。
毎年不思議に感じるのは、
今、たとえば電話をしている相手が住む町では、梅雨入りをしていて、
こちらの頭上は晴れていて、気圧が違う。
相手の住む町を通った前線が、幾日してからやって来て、この町も包んで次の町へ行く・・・。
ワールドワイドに、世界がクリック一つで瞬時につながるようになったとしても、
そこにタイムラグがあって、
梅雨や桜前線、紅葉前線・・・と、
季節の移りは時間をかけて北上して来るんですね。
さて、苗は順調に育っていますよ。
苗が育つと同時に、田んぼの準備も進行中です。
一般的な稲作では、田んぼに水を入れ、代かきを一度してから田植えですが、
稲葉先生が提唱されている成苗稲作では、水を入れてからしばらくおきます。
そうすると下の写真のように稲作に困る草・・・ヒエとコナギが沢山生えてきます。
生えてから写真のようにトラクターで代かきをすると、一度生えた草が抜かれて種が減るわけで、
抑草・・・つまり草が繁茂するのを抑えることになるそうです。
田んぼはシードバンクといわれるほど、草の種が眠っているそうで、種類は約100とも言われています。
その中で、稲作に困る草は、たったの10種類だそう。
しかも、田んぼにはそれぞれ特徴があり、その特徴を好んで生える草は限られますから、
たいがい10種全部が生えることはありません。
うちの田んぼでは、3~4種といったところでしょうか。
しかも、その3、4種類についても、懇意の生きもの先生が名言を教えて下さいました。
「害虫&害草、大発生しなければ、ただの虫に草」
そうなんです!
ただ大発生が問題なだけなんです。
なんかしらの方法で、大発生を避けられたら、
3、4種類のために除草剤をまいて、他の草まで枯らす必要がなくなりますね。
さて、草にちなんで、今回ご紹介するのは、
今年の写真ではありませんが、
山椒藻(サンショウモ・上の写真)と、
銀杏浮苔(イチョウウキゴケ・下の写真)です。
両方とも埼玉県では絶滅危惧Ⅱ種に指定されています。
うちの杉戸の田んぼでは、農薬・化学肥料・除草剤を使わなくなって、二年で帰ってきました。
それぞれ、イチョウ、サンショウにそっくり!
素晴らしいネーミングセンスですね。
広く田んぼに除草剤が使われるようになって、今や絶滅危惧種になってしまいましたが、
除草剤を使わなくなってから、たったの二年で帰ってきたのです。
土の中に胞子が残っていたのでしょうね。まさにシードバンクです。
たったの二年で戻ってくる、ということは、
たくさんの生きもの、植物が消えていく前に、
私達が出来ることがまだまだたくさんある、ということだと思います。
知恵を出し合って、薬に依存しない多様な農業をすることも、その一つですし、
サンクスアイさんが、このような農業を支える活動をされているのも、その一つですね!
まだまだ日々の中で、間に合うことがたくさんあるんですね!
網本朝香
抑草の代かき
カテゴリー:共同研究農家 2015.06.05