こんにちは。寒くなりましたね!
愛感謝米の田んぼがある埼玉県でも、いよいよ冬となりました。
うちの田んぼも、11月は緑だった蘖(ひこばえ)が寒さにあたって茶色く枯れてきました。
畦の野草も、種をつけて枯れたりと、
これからどんどん田んぼは茶色くなっていきます。
そう、しばらく・・・
早春、枯れ草の下から小さな緑の新芽をだすまで・・・は、
写真を撮っても撮っても、変わらず茶色いという日々が続きます。
うーん。
ということで、冬の間は、生きものや雑草特集をしていこうと思います。
畦のコセンダン草の種です。
元々、北アメリカからやってきた外来種だそうで、明治時代に確認されたとか。
時を経て、平地の空き地や畦など、日本全国に増えたようです。
増えた理由は、この種の先の「フック」!
とにかく引っかかるのです!
服に!猫に!靴下に!
自転車で、車を避けようと畦際を走ろうものなら、
靴下にいっぱい種がくっついちゃった、なんて事があります。
もちろん洗濯機では落ちないので、手でぶちぶちと落とす羽目になるのですが、
賢いのは、夏の間は背丈は、30センチに届くかどうかなのですが、
秋、花をつけ種になりだすと、くっつくぞと言わんばかりに、茎がぐんぐん伸びるのです!
最初は出る杭(くい)頭を打たれないよう、平均的な背丈に抑えて、草刈に逢わないように身を潜め、
種をつけると遠方に広げようと背丈を伸ばす・・・。
そうして、動いている人間や動物に、ばっちりフック!
引っ付かれた私や動物などが嫌がりそうな、「ちょっとチクチク感」満載で、
しかも、しばらぁくしてから気づく程度のチクチク感、
気づいた「ちょっと離れた先」で、猫にいにゃ~んと種を落とすよう毛繕いをさせたりして、
無事、落とされた先で子孫繁栄を成し遂げるわけです。
種の構造からして、フックは移動に徹し、種部分に影響がないような形になっていたりと、
生きる事、子孫を残す事へのすごい執念を感じます。
この執念は、他の植物にも往々にして見られ、
タンポポも、花が終わり種になると、風をつかまえようと、
急に茎が伸び、綿毛を風に乗せようとします。
また、移動手段の綿毛と、発芽の為の部分と、二部構造になっているのも似ています。
・・・いやいや、やっぱり綿毛とか可愛いもんじゃなく、
もっと凄まじい執念を私が感じるのは、やっぱり
フック!
だからですかね。
ちなみに、タンポポにしても、外来種の西洋タンポポの方が、
ザリガニだとアメリカザリガニの方が・・・と、
何にしても、外来種の方が、大型で種の数も多く、強い印象があります。
このコセンダン草も、日本の生態系が被害を受けかねないことから、
要注意外来生物に指定されているそうなので、
日本固有の草がすみかを失わないよう、
靴下に種がくっついた際は、チクチク感をガマンして、
自宅に帰ってからゴミ箱に捨てるようにしていますよ。
明治に船でアメリカ、ヨーロッパと視察に海を渡った岩倉使節団・・・
西洋は、人も、生きものも、全部強いとの印象を受けたとのことですが、
その頃に、靴下なのか足袋なのかにくっついてきただろう?コセンダン草、
100年を経て、やっぱり舶来ものは強かった!と証明されているのでしょうか。
網本朝香