11月ですね!
朝晩は息が白く見える日もあって、ずいぶん冷え込んできたなぁと感じますが、
日中は汗ばむ陽気だったりで、寒暖の差が激しい埼玉です。
皆さんはいかがおすごしですか?
秋も深まり、茜色に包まれた田んぼは一仕事終えて、休んでいるかのように見えます。

が、土の中・・・微生物の世界では、
ワラや根っこなどの残渣(ざんさ)を分解したりと、まだまだ活発に動いています。
という理由は蘖(ひこばえ)!
難しい字ですね。
本来は木の切り株から生える新しい枝の事だそう。
切り株を親、新しい枝を孫(彦、ひこ)と見立てているのだとか。
稲の切り株から、もう一度生える稲にも使う言葉だそうです。
さて、この蘖が生えているという事から、
土の中の根っこや、その周りの微生物は、まだまだ活動をして動いているんだなぁと押し量れます。
寒さ到来が遅く、いつまでも暖かい年は、蘖はどんどん伸び、
田植え後かと見紛うほど青々として、穂までつける年もあります。

写真は二年前、2012年11月6日撮影。蘖伸びてますね!!
青々として、ぱっと見は初夏に見える程です。
中身はスカスカですが、短い穂まで出て、収穫できそうな勢いです。
対して下は今年2014年11月6日の写真です。

秋の田んぼだと一目でわかりますね。
蘖の様子から、今年は少なくとも一昨年よりは、寒さが若干早くにやってきたと言えるでしょうか。
これが、うちの田んぼだけの状況であれば、蘖を伸ばす体力も残っていない程、肥料分が足りなかったとも測れますが、
周りの田んぼも差ほど変わらず、どうやら気候の話のようです。
これから寒さが厳しくなると、葉や根っこも寒さに耐えられず、
また、微生物の活動も密やかになり、蘖はこれ以上伸びずに枯れていきます。
そうすると、本格的に寒さがやってきた・・・土の中まで冷えてきた、
田んぼも、農作業も、稲作人の気持ちも一休み一息、となります。
大袈裟ですが、季節をただ過ごすだけでなく、
少し注意して立ち止まってみると、自然が色んな事を現していることに気づかされます。
自然、地球の事に、より敏感な生きもの達の様子から、私達人間は知らされる事も多いはずです。
四季があり、美しい国土の国に生まれ育った、有り難い瞬間なのでしょうね!
これから紅葉の美しい晩秋、樹々の鮮やかな色合いに、春から夏、秋の日々が刻まれています。
忙しい中ですが、時には立ち止まって見たいものですね!
網本朝香