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4人の稲作研修生ともども、よろしくお願いします!

カテゴリー:ブログ 共同研究農家 2017.04.21

サンクスアイの会員の皆さん、ご無沙汰しています。
すっかり季節は春本番!稲作農家にとっては田んぼシーズン突入! となりました!
忘れ去られていないでしょうか・・・ぐらいご無沙汰してしまったので、改めて名乗りますと、杉戸町の有機稲作農家・網本欣一の嫁の朝香です。

3月の幕張のコンベンションでは、お会いできて光栄でした。太鼓から始まり、会場がずっと熱気に包まれていましたね!
一年の節目となる佳き日、皆さんの晴れやかな姿が印象的でした!誠にお芽出とうございました!!

最後に会場で、フィリピンでお医者様をされているとの女性から、声をかけていただいたのですが、彼女のお国では、稲作を三期作(同じ稲を一年に3回収穫することで、暖かい南国ならではですね)をすることで土地が痩せて、農薬化学肥料に依存してしまっている現状と、彼女はお医者様なので、子供達のアトピーをとても危惧している、ということをお話ししてくださいました。

作物という名の植物が、本領発揮できるような農業・・・

植物の本来のリズムに、人間が合わせて農作業をするようになると、どんな環境にでも、植物自らが順応して、その土地にあった育ち方をするようになります。

稲葉先生提唱の有機成苗稲作が「本当の意味で確立する」とは、(例えば)埼玉でのやり方に固執することではありません。南国で、埼玉でのやり方に固執していると、もちろん上手くいきませんね。「その土地、その国、その環境において、稲が本来の力を発揮する方法を引き出す。」が、本当の意味の確立だと思っています。

そういう意味では、埼玉で稲作に従事してきた私達にとって、今回、コンベンションでも発表の場をいただきましたが、藤原社長に、関西・九州といった、埼玉以外の地域の稲作研修生の方々との出会いをいただいて、有機成苗稲作の研修をさせていただくのは、とてもチャレンジでもあります。

埼玉での稲作。
関西での稲作。
九州での稲作。

どれもきっと具体的な方法は違うでしょう。
でもその地域にあった方法を導き出す、「洞察力」・・・稲を感じる力、とでも申しましょうか、どんな土地、例えば南国であろうと、北国であろうと、稲が順応してたくましく育つことを応援できる、という、全ての礎になるであろう力を4人の研修生の皆さんと、探っていけたらと思います。

会員の皆さん、まずはこの一年、4人の研修生さんの応援をよろしくお願いします!
そして、日本のどの地域でも安定してできるようになることが、前出の、南国のお医者様のお国の農業事情の改善にお役に立てることに繋がっていくのでは・・・と思っています。
踏み出したこの1歩が、足元から波のように広がっていきますように!!

さてさて、ご無沙汰をしていた間の作業をぎゅぎゅっと濃縮公開!!
まずは冬の間の準備です。






モミには、昨年の稲が田んぼから吸収したシリカ(二酸化ケイ素とも呼ばれます)が多く含まれているそうで、田んぼに還すことで、田んぼからシリカを持ち出さずに済み、翌年も稲が丈夫に育つようになるそうですよ。

そして春先には種の準備が始まりました! 写真をうっかり撮っていないのですが、種籾(たねもみ)を塩水の浮力を使って選ぶ、塩水選からスタート!
浮く軽い種は、未成熟だったり、病気にかかっていたりで、種には不向きなので取り除き、重く沈む種は、成熟して健康で詰まった種、に取り分けます。
そして、重く沈んだ種をネットに集め、お湯で消毒をし、(温湯消毒(おんとうしょうどく)その後、芽が出るまでゆっくり冷水に漬けます。(浸種(しんしゅ)




上は、浸種の写真ですね。
いま、網本欣一の有機の種もみはこの段階です。

一方、田んぼでは、春先から、苗床(なえどこ)と言って、苗箱を並べて、苗を育てる場所の準備をしました。



畦で田んぼの一角を区切って、その中に水を入れ・・・(ちなみに、これは水道水なんです・・・杉戸ではこの時期まだ農業用水のパイプラインが開栓になっておらず・・・毎年この時期は水道代がオソロシイ!)



トラクターで平らにならして・・・乾かします!




乾くと、高低差を削ったり調整をして完成! ここに、これから仕込む苗箱を並べていきます!
春の有機成苗稲作の作業をダイジェストでご紹介しましたが、一般的な慣行栽培では、これら塩水選や温湯消毒の作業はせず、薬剤で消毒して、未熟種だろうとすべての種を使用することが多いですし、浸種も、冷水ではなくお湯につけて、早く芽を出させることがほとんどです。

また、育苗でも、露地ではなく、ハウスの中で温度をかけて早く背丈を伸ばすので、組織の弱い苗となり、薬剤がセットになってくる稲作技術体系が日本だけでなく世界で一般的になっている、と言えるでしょう。
前述の南国のお医者様の国でも恐らくそうでしょうか。
何が問題か、ですが、私は、有機稲作は、知恵さえあればできるんだ、という情報が不足していることが一番目の問題だと思っています。

稲葉先生提唱の有機成苗稲作は、稲に寄り添って稲が何をしてほしいかを農作業の軸とされていて、成苗まで育った稲は、丈夫でそれはたくましい苗に育ちます。
その姿をちゃんと見ていただければ、今、広く一般的に普及している稲作だけが全てではない、ということが分かっていただけると思います。

その次に問題になってくるのは、やはり手間でしょうか。
有機稲作には、今回ご紹介した作業だけでも、慣行栽培にはかからない手間がかかっていますし、手間がかかっているということは、それだけの手間をかけようと思う「情熱」がかかっている、手間を支える意欲と情熱が必要不可欠なのかもしれません。

今回、名乗りを上げてくれた稲作研修生の4名はまさに、情報を知るというご縁があって、さらに意欲と情熱がある方達というわけですね!
かくして、研修生4名の方は、有機成苗稲作の世界に足を突っ込まれました。(笑)
研修はすでに始まっていて、毎日のようにグループラインで意欲的に質問が飛び交っていますよ。

これからも、稲作に携わる人々、もちろんお米を食べて下さる消費者の方々にも、様々な方法が選択できるようになると、もっと有機の間口も広がるのでは、と思います。
有機稲作の面積が広がるということは、より健康な土地が増えるいうことにつながります。

それは稲作農家や農業関係者だけでなく、地球上に住まわせてもらっているすべての人の目指すべきところだと思うと、ファーミングリテラシー協会での、サンクスアイの会員の皆さんも応援して下さる、生産者と消費者が一体となったこの取り組みが、有機農業界の新たな風、新たな一歩になり得るのでは、と思うのです。

藤原社長は、少々の失敗は人間ですから仕方がないこと、思い切ってチャレンジしてくださいね、と言ってくださいました。失敗も成功も糧にできるような、充実した研究結果を皆さんにご報告できるように、研修生ともども、一年一緒に挑戦していきますので、再度になりますが、何卒よろしくお願い申し上げます!!

さあ、どんどん暖かく、むしろ暑く?感じる、新緑の日々が始まりました。
皆さん、初夏の陽気を存分に楽しまれて、素敵なゴールデンウィークをお過ごしくださいね!!


網本朝香

サンクスアイ株式会社
〒861-8035 熊本県熊本市東区御領6丁目1-6
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