BLOG

ブログ

「梅雨空の下で」

カテゴリー:ブログ 共同研究農家 2016.06.17

こんにちは。

 

梅雨らしい曇り空が続いていますね。

 

皆さんはいかがお過ごしですか?

 

人間にはジメジメ梅雨を好きという人は少ないかもしれませんが、植物も含めて生きものにとっては、恵みの雨。

5月28日に、サンクスアイの皆さんが埼玉の杉戸で手植えされた田んぼでは、苗が順調に育っていますよ!

IMG_3587

今はぐんぐん水を吸って、成長著しい頃。

 

そして他の生きものにとっても同じ時期です。

 

 

梅雨空の下、たくさんの生きものが田んぼで躍動して生活していますよ。

IMG_3624

ゲンゴロウの仲間の、灰色ゲンゴロウの幼虫です。

 

写真が見えにくくてすみません。

中央の縞々のシャコように見えるところが胴体で、写真右下が頭、左がお尻です。

 

お尻で呼吸!するそうで、時折お尻を水面に出していますよ。写真でもちょうどお尻の方が上がっていますね。

肉食で、他の昆虫や幼虫などをハンティングします。

IMG_3540

こちらは、6月上旬でしたか… 暑い日があって、田んぼに入れる用水の周りに…

 

冷水の涼を求めてか、沢山の泥鰌(どじょう)の稚魚が群がっていたのを社長の欣ちゃんと、スタッフのおじさんが面白がって網ですくっていました。

 

これが本当の泥鰌すくい??

 

観察のために桶でしばらく飼ってみることにしたのですが…

IMG_3542

1匹では可愛いいどじょうも、これだけ沢山いると鳥肌が…。

 

まるでマンモス幼稚園。

 

近寄ると、ぱちゃぱちゃシャワシャワ… なんの音なのか、何かが聞こえる大騒ぎ。

 

 

 

生態系を乱さないためにも、そろそろ田んぼに還しますが、その前に写真を!

 

どじょうの稚魚は、非常にすばしっこく、また、すぐ泥に潜るため、なかなか写真が撮れません。

 

ここぞとばかり、沢山の写真を撮ったのですが…

IMG_3597

浮いている葉っぱに乗って休憩中!

 

可愛いいー!

 

たまたま、ではなく、本当に故意に乗っているのです!

 

時には水草に細長い体を絡めて流されないように、か、体をホールドして休憩する場合も。

シートベルトだ!

 

 

幼稚園児とはいえ、ちゃんとヒゲもあって見た目も可愛いし(主観ですが)。

丈夫であまり世話を必要としないようなので、観察や飼うには超オススメです。

 

育ったら美味しく食べちゃいそう??

 

 

ひょんな社長たちの遊び心から、私も念願の写真が撮れて大満足でした。

 

 

 

そして、空には…

 

それこそ写真には撮れないスピードで、ツバメたちが猛スピードで乱舞!

 

餌になる羽虫を狙って滑空しています!

 

雛鳥に食べさせるのでしょうね!

 

 

 

「ツバメ返し」とはよく言ったもので、見事にうちの有機の田んぼがエンドになると踵を返して戻るので、有機の田んぼが沢山の命を育んでいること… 平たく言うとエサがたくさんいることがわかります。

 

このように、梅雨時には、沢山の生きもの、とくに幼虫や稚魚といった幼いものたちが生きている、または、その幼いものを親たちが育てている時期で、命が躍動する息吹きを聞くことができます。

 

 

 

さて、肝心の稲はというと…。

 

6月2日、そうっと1本抜いてみました!

 

白っぽい所が、新しくのびた根です。

IMG_3429

IMG_3433

たった5日で、2〜3センチ伸ばしていることがわかります。

 

これは、何度も言及しますが、教わった「ポット」という苗箱の良いところ!

 

 

左はポットで育った成苗の根っこ、

右はマットという、一般的な苗箱で育った稚苗の苗の根っこ、まだ種もみがありますね。

 

 

 

ポット苗箱では苗箱の中で独立して苗が育つので、田植えの時にはすぽっと抜いて植えられます。

つまり根っこが千切れず、体力が消耗しないので、植わったすぐ後から成長の活動が出来るのです。

 

対し、一般的な稲作では、根っこがマットのように絡んで、それを千切りながら植えていきます。

参考までにうちのマット苗の根っこです。

IMG_2964

ここまで絡み合った根っこなので、千切って植えていくことになりますし、そうすると植わった後ダメージを修復することに体力が使われてしまいます。

 

 

 

さて、田植え直後の田んぼの泥の下では、激しい生存競争がおこっています。

 

いわゆる雑草も発芽をして、根っこを出して育っているのですが、植物は根っこから酸を出してテリトリーを主張するのだそうで、

つまり根っこが盛んに増えると、テリトリーを主張する物質もたくさん出て、田んぼの中で主役になれるのだとか。

 

 

根っこが出なく、苗が元気のない状態が長くなってしまうと、その間に他の草が根を伸ばしてしまい、稲は田んぼで主役になり損ねてしまいます。

 

 

そうなってしまうと草に負けるため、除草剤が必要という話になってきてしまいます。

 

 

つまり生物学的に弱い苗を植えるということは、除草剤とセットで稲作をするということにつながりかねないのです。

 

 

稲葉先生が有機の稲作は苗八分作、強い苗を育てられたら稲作は8割成功したようなものだ、と教えて下さいましたが、こうやって根っこを見てみると実感します。

 

 

今日6月16日に、また抜いて観察してみようとしたのですが、うちのねっとり柔らかい泥にも、がっちり根を張っていて、とても抜けませんでした。

 

泥の下でどんな風になっているのかな。

 

 

それを想うと、表に見えている葉っぱの状態が存在するには、必ず支えになっている根っこ…

土台や、基礎の世界が存在するのだと気付かされます。

 

それは大抵、普通にしていると目に見えなくて、見ようとしなければ見えない世界なのかもしれません。

 

 

ですが、表の結果や成果だけでなく、その基礎、土台、バックグラウンド… に目をやると、どれほどの支えで葉っぱが風にそよいでいるのかに驚かされます。

 

 

苗にも、私達人間にも、自然界の理(ことわり)が通じているのだろうな、と感じさせられる一瞬です。

 

 

なんて思いながら田んぼを見ていると、なんとも穏やかな時間があたりを包みます。

 

 

IMG_3584

さあ、ぐんぐん梅雨に恵まれ大きくなあれ!

 

網本朝香

 

 

サンクスアイ株式会社
〒861-8035 熊本県熊本市東区御領6丁目1-6
TEL.096-285-3910 / FAX.096-285-3513

日本の農業を変えて、世界の食を正す。
サンクスアイは、植物性ミネラル・フルボ酸を通じ、土壌改良を行い、本物の食物が収穫できる愛産物農法の普及を行うことにより、日本の食の明るい未来を応援しています。

カテゴリー

月別記事一覧