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ツートンカラー

カテゴリー:ブログ 共同研究農家 2015.12.04

こんにちは。

一年は早いもので、もう師走になりました。
みなさん、いかがおすごしですか?

冬が訪れたと言っていいのでしょうか。
毎日まだ暖かくて、秋なのか、冬になったのか・・・

関東の地域だけなのかもしれないですが、
今年は、お盆前までは暑かったのですが、お盆頃から雨が続き、続き、続き・・・
ようやく上がったと思ったら秋になっていて、いわゆる残暑がありませんでしたね。
今も暖かくて秋が続いているようで、季節がはっきりしないように思います。

そのせいなのかどうなのか、鮮やかに彩付く紅葉が少ない気がしていますが、みなさんのお住まいの地域はいかがでしょうか。

さて、田んぼでは一年のお片づけが続いています。


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スタッフのおじさんが、畦で生えて伸びたまま、立ち枯れした草を取り除いてくれています。乾いた草がぶちぶちと切れる、枯れた音が秋の音!

長く伸びた草を取り除くことで、光が地表にあたり、背の低い草も春に生えるようになります。

そう、手つかずの自然、と聞くとイメージが良いような感じがしますが、それは鬱蒼と背の高い草だけが茂って、植生が単調になりかねないということ。

何度か言及しましたが、日本人が昔から稲作と同時に畦を手入れしてきたからこそ、小さな野草の花がこぼれるように咲く春の景色なのです。

日本の多種多様の植生と生物形態は、勤勉な農民の、大昔から続く手入れが生んだ、と言っても過言ではないのかもしれません。

大げさですが、スタッフのおじさんのこの作業が、野草の存在を継いでいきます。

来春も可愛らしい野草が顔を出しますように。


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さて、田んぼは・・・トラクターで耕しています。

まるでツートンカラー!

この田んぼはとても粘土質で保水をしているので、表面は乾いた色をしていますが、ひとたび下が出てくると、水分を含んだ湿った色が出てきます。


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よく見てみると、塊の所々にオレンジ色の部分があります。

田んぼにちょくちょく見られるこのオレンジ色は・・・

酸化鉄だそうなのです。

酸化鉄というと、いわゆるサビですね。
このオレンジ色はサビ、サビの色だったわけです。

日本の大地には鉄は豊富に含まれているそうで、
見慣れた砂鉄の黒い色のままだと、土の茶色に混じって意識するかどうかだと思うのですが、酸化鉄のサビ色は主張が強い!
これだけ鉄が含まれているんだなと改めて意識します。

昔砂場なんかで磁石で砂鉄を集めたことを思い出しますが、こうやって実生活で実感すると、小学校の理科が急に身近になってきますね。


栽培中に稲を抜くと、オレンジ茶色の根っこがあったりします。

それは、稲が、泥の中の酸素が不足する低酸素の状態でも、根っこが根腐れしないように、葉っぱから取り入れた酸素を根っこで土中に放出して、酸素不足を補うことができるからなんだそうです。
その際に根っこの出す酸素と土中の鉄が化合しての酸化鉄の色なんだそう。

つまり、根っこの周りにサビがついた状態。

自己防衛だったり、環境に合わせて生き延びていくための、すごいシステムを持っているんですね。

サビの膜で栄養吸収阻害が起こりかねないので、本来白い太い冠根までもがオレンジ色すぎるのは、状態が良くなく、酸欠にならないよう土壌改良の必要を示している色なんだそうです。

ちなみに大豆には、根っこが酸素を放出するシステムがないそうで、大豆は長雨が続いて畑が潅水してしまうと大ダメージなんだそうです。

湿地を好む植物か、そうでないかで、機能の違いがあって、どんな植物にも生えたい好みの環境があることがわかりますね。

稲を知ることは、例えばオレンジ色の根っこにならないよう工夫をしたりと、稲作において何をするかに直結します。

冬は前回に引き続きお片づけ、そして・・・一年の考察の季節でもあります!


網本朝香

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